マンションの共用部分で死亡事故があった場合、住戸に告知義務は生じる?

「エントランスで転落事故があったと聞いたが、うちの部屋を売るときにも告知が必要なのか」「エレベーター内で事件があったマンションに住んでいる」——専有部分(住戸内)ではなく、共用部分で発生した事故・事件について、告知義務がどこまで及ぶのか分かりにくいというご相談をいただくことがあります。今回はこの点を整理します。

告知義務の基本的な考え方は「心理的な嫌悪感」

国土交通省のガイドラインが対象としているのは、取引の対象となる不動産そのものについて、買主・借主が心理的な嫌悪感を抱くと考えられる事情です。これは専有部分に限らず、日常生活において使用が予定される共用部分についても、一定の範囲で対象になり得るとされています。

つまり、「事故が起きたのは共用部分だから、自分の住戸には関係ない」と単純に切り離せるわけではなく、事故の内容や場所、住戸との関係性によって判断が変わってきます。

ガイドライン上、対象となりやすい共用部分

ガイドラインでは、日常生活の中で通常使用する共用部分(エントランス、エレベーター、廊下、階段など)で発生した事案について、対象となり得ることが示されています。一方で、それ以外の部分(管理人室や、住民が通常使用しない設備など)で発生した事案については、個別の事情を踏まえた判断が必要とされています。

  • 自室の玄関の目の前の廊下で発生した事故
  • 日常的に利用するエレベーター内での事件
  • マンション全体で日常的に使う出入口・エントランスでの事故

といったケースは、住戸から離れた場所での出来事であっても、告知の対象として扱われる可能性があります。

判断のポイントは「住戸との位置関係」と「日常的な使用頻度」

共用部分での事案が、特定の住戸の売買・賃貸において告知義務の対象となるかどうかは、主に次のような点から判断されます。

  • 事案が発生した場所と、対象住戸との位置的な近さ
  • その共用部分を住人がどの程度日常的に使用するか
  • マンション全体としての事案なのか、特定のフロア・住戸に関連する事案なのか

たとえば、同じマンションでも、事案があった場所から離れたフロアの住戸であれば、告知義務の対象外と判断されることもあります。一方、事案があった場所のすぐ近くにある住戸については、より慎重な判断が求められます。

管理組合・管理会社との情報共有も重要

共用部分での事案は、個々の区分所有者だけでなく、管理組合や管理会社が把握している情報でもあります。売却や賃貸の際には、管理組合の議事録や管理会社への聞き取りを通じて、過去に共用部分でどのような事案があったかを確認しておくことが望ましいでしょう。把握していた情報を伝えなかった場合、後々のトラブルにつながるおそれがあります。

判断に迷う場合は専門業者へ相談を

共用部分の事案が告知義務の対象になるかどうかは、個別の事情によって判断が分かれる、専門的な知識が必要な領域です。「自分の部屋には関係ないはず」と自己判断せず、事故物件・訳あり物件の取り扱いに慣れた不動産会社に相談することをおすすめします。

まとめ

マンションの共用部分で発生した事故・事件についても、住戸との位置関係や使用頻度によっては告知義務の対象となることがあります。判断に迷う場合は、自己判断せずに専門家へ相談し、正確な情報をもとに売却・賃貸を進めることが大切です。当社では、共用部分の事案を含めた事故物件・訳あり物件のご相談を丁寧にお伺いしております。まずはお気軽にご相談ください。

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