事故物件の相続税評価額はどう計算される?減額の可能性はあるか
「相続した実家が事故物件だった場合、相続税の評価額はどうなるのか」——売却価格が下がることは知っていても、相続税の計算にどう影響するのかまでは知らないという方が多くいらっしゃいます。今回は、事故物件の相続税評価額の考え方について解説します。
相続税評価額の基本的な計算方法
不動産の相続税評価額は、実際の売買価格ではなく、次のような基準で算出されます。
- 土地:路線価方式(路線価が定められていない地域は倍率方式)
- 建物:固定資産税評価額
これらは、時価(実勢価格)よりも低めに設定されていることが一般的ですが、事故物件であることそのものを反映した減額の仕組みは、原則として組み込まれていません。つまり、路線価や固定資産税評価額をそのまま使うと、事故物件であることによる価値の下落分が評価額に反映されないことになります。
事故物件としての評価減は認められるのか
国税庁の財産評価基本通達では、著しく利用価値が低下していると認められる宅地について、評価額を一定程度減額できる規定があります。事故物件のように、心理的瑕疵によって取引価格が大きく下落する不動産についても、実務上、この規定を根拠に評価減が認められるケースがあります。
ただし、
- どの程度の減額が認められるかは、個別の事情(事案の内容、経過年数、周辺の取引事例など)によって異なる
- 減額を主張するには、鑑定評価書や取引事例など、客観的な根拠資料を用意する必要がある
- 税務署との見解の相違が生じやすく、専門家(税理士・不動産鑑定士)のサポートが実務上ほぼ必須
という点に注意が必要です。「事故物件だから自動的に評価額が下がる」というものではなく、減額を受けるためには相応の準備と手続きが必要になります。
評価額が下がらないまま相続税を負担するリスク
事故物件としての評価減が認められないまま相続税の申告を行うと、次のような問題が生じることがあります。
- 実際の売却価格よりも高い評価額をもとに、相続税を計算・納付することになる
- 相続税の納付資金を、他の財産や自己資金で工面する必要が出てくる
- 売却を急ぐあまり、さらに買い叩かれてしまう
とくに、相続財産のほとんどが事故物件である場合、納税資金の確保が大きな課題になりがちです。相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)を意識しながら、早めに専門家へ相談することが重要です。
売却を前提とした場合の考え方
将来的に売却する予定がある場合は、
- 相続税の申告段階で、評価減の可能性について税理士に相談する
- 並行して、事故物件の扱いに慣れた買取業者に査定を依頼し、実際の売却見込み額を把握しておく
- 納税資金が不足しそうな場合は、延納・物納などの制度もあわせて検討する
といった進め方が現実的です。評価額と実際の売却額のギャップを早い段階で把握しておくことで、資金計画を立てやすくなります。
まとめ
事故物件の相続税評価額は、路線価や固定資産税評価額をベースに計算されますが、著しい価値の低下が認められる場合は、評価減が認められる可能性があります。ただし、その判断や手続きには専門的な知識が必要です。相続税の申告と並行して、実際の売却見込み額を把握しておくことが、資金計画を立てるうえで大切です。当社では、事故物件の査定・買取に関するご相談を承っております。まずはお気軽にご相談ください。
