事故物件でも火災保険に新規加入できる?保険会社の対応と注意点

以前の記事では、火災による死亡事故があった物件の火災保険についてお伝えしました。今回は少し切り口を変え、「これから事故物件を購入・所有する人が、新たに火災保険に加入できるのか」という点を解説します。

事故物件であることは、火災保険の加入条件にはなりにくい

火災保険は、建物や家財が火災・風災・水災などの損害を受けた場合に備える保険であり、審査の中心は「建物の構造・築年数・所在地」といった、火災や災害リスクに関する情報です。過去にその物件で死亡事故があったかどうかという心理的瑕疵の情報は、火災保険の引受審査において、直接的な判断材料にはされにくいのが一般的です。

つまり、事故物件であることを理由に、火災保険への新規加入自体を断られるケースは、住宅ローンの審査に比べると少ないと言えます。

それでも確認しておきたいポイント

とはいえ、次のような点については、事故物件特有の注意が必要です。

1. 特殊清掃・改修工事後の建物状態の申告

火災による焼損があった場合や、特殊清掃にともなって床材・壁材の張り替えを行った場合は、その改修内容を正確に保険会社へ申告する必要があります。申告内容と実際の建物状態が異なると、将来的に保険金請求時のトラブルにつながるおそれがあります。

2. 空き家期間が長い場合の加入条件

事故物件は、特殊清掃や遺品整理が終わった後、しばらく空き家状態になっているケースが多くあります。空き家期間が長いと、火災保険の契約条件(居住用か空き家用か)によって、保険料や補償内容が変わることがあります。契約時に、現在の使用状況(居住中か空き家か)を正確に伝えることが重要です。

3. 家主費用特約は物件の履歴を踏まえた特約

以前ご紹介した「家主費用特約」は、その物件で将来的に孤独死などが発生した場合に備える特約です。過去に事案があった物件だからといって、この特約に加入できないわけではありませんが、保険会社によっては、過去の事案の有無を確認したうえで、条件を検討するケースもあります。

事故物件専門の火災保険商品もある

近年は、事故物件・訳あり物件を保有するオーナー向けに、通常の火災保険とは別に、心理的瑕疵物件を前提とした保険商品を取り扱う保険会社も出てきています。こうした商品は、家賃損失や特殊清掃費用への補償が手厚く設計されていることが多く、事故物件を賃貸経営する場合には、通常の火災保険とあわせて検討する価値があります。

保険加入で分からないことがあれば

火災保険の加入条件や特約の内容は、保険会社・商品によって差があります。「事故物件だから保険に入れないのでは」と自己判断せず、複数の保険会社や代理店に相談し、条件を比較してみることをおすすめします。

まとめ

事故物件であること自体は、火災保険の新規加入を妨げる直接的な理由にはなりにくいものの、建物の状態や空き家期間の申告、特約の内容など、確認しておきたいポイントはいくつかあります。保険の手続きだけでなく、物件そのものの今後の方針(賃貸を続けるか、売却するか)についてもあわせて検討したい場合は、当社までお気軽にご相談ください。

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