事故物件は固定資産税も下がる?相続税評価額との違いを解説
以前の記事で、事故物件の相続税評価額について解説しました。今回は、多くの方が疑問に思う「固定資産税も同じように下がるのか」という点を整理します。相続税と固定資産税は、似ているようで評価の仕組みが異なります。
固定資産税の評価額はどう決まるのか
固定資産税は、毎年1月1日時点の不動産の所有者に対して課される税金で、市区町村が算定する「固定資産税評価額」をもとに計算されます。
- 土地:地価公示価格の70%程度を目安に評価される
- 建物:再建築価格(同じ建物を今建てたらいくらかかるか)をもとに、経年による減価を考慮して評価される
この評価額は、原則として3年に一度(評価替え)見直されますが、個別の事情(心理的瑕疵の有無など)を毎年きめ細かく反映する仕組みにはなっていません。
事故物件であることは、原則として反映されにくい
相続税評価額については、著しい利用価値の低下が認められる場合に評価減が認められることがあると以前お伝えしましたが、固定資産税評価額については、この考え方がそのまま適用されるわけではありません。
固定資産税評価額は、建物の構造・築年数・土地の路線価などをもとに、比較的画一的な基準で算定される仕組みになっており、「事故があったから評価額を下げてほしい」という個別の申し出だけでは、簡単には反映されにくいのが実情です。
それでも減額を求める余地はある
まったく方法がないわけではありません。次のようなアプローチが考えられます。
- 審査の申出・不服申立て:固定資産税評価額に納得がいかない場合、固定資産評価審査委員会に審査の申出を行うことができる(納税通知書を受け取ってから一定期間内)
- 物理的な損傷を反映させる:事故にともなって建物が物理的に損傷している場合(特殊清掃が必要になった、リフォームが必要な状態など)は、その損傷を評価に反映してもらえる可能性がある
- 土地の利用価値の低下を主張する:心理的瑕疵によって、その土地・建物の実際の取引価格が著しく下がっていることを、鑑定評価などの資料とともに主張する
いずれも、申立てや資料の準備に専門知識が必要であり、必ず減額が認められるとは限りません。
固定資産税を払い続けることの負担
評価額の減額が認められにくい以上、事故物件であっても、通常の物件と同程度の固定資産税を払い続けることになるケースが多くあります。売却や活用の見込みが立たないまま所有し続けると、
- 固定資産税の負担が継続する
- 空き家状態が続けば、老朽化がさらに進み、資産価値がさらに下がる
- 「管理不全空家」に指定されれば、固定資産税の住宅用地特例が外れ、さらに負担が増える可能性がある
といった悪循環に陥りやすくなります。
まとめ
事故物件であっても、固定資産税評価額は相続税評価額のようには下がりにくいのが実情です。審査の申出などの方法はあるものの、専門知識と手続きの手間がかかります。固定資産税の負担が重く感じられる場合は、評価額の見直しを検討すると同時に、事故物件の扱いに慣れた買取業者へ売却するという選択肢もあわせて検討してみてください。当社では、税負担のご相談も含めて丁寧に承っております。まずはお気軽にご相談ください。
